クロニクル
実はまだ買っていない。
買う前だからこそ、ちょっと思ったこと。
当たり前だけど、トーキョーN◎VAはサイバーパンクだ。
そしてサイバーパンクのご多分に漏れず、N◎VAは『近未来』を描いてきた。
それは『近未来』という名の『現代』なのかもしれない。
しかし、いずれにしても在り得るかもしれない未来を描くことによって、私たちは絶望と虚無を物語、それゆえに希望を見出してきた。
それは『未来』を物語るということの本質だと思う。
けれど、今回のN◎VAは『過去』を描くようだ。
これまでの歴史を再録することの価値は、もちろんある。
けれど、けれど。
それは『未来』とは対を為す概念だ。
まるでもうN◎VAという街、ニューロエイジという世界に描くべき未来がないのではないかとさえ思う。
これは作り手の問題か。
それとも写し世たる現世が未来を失っているのだろうか。
わからない。
でも、このふと沸いた疑念を払拭してくれるルールブックであることを私は心底のぞんでいるのである。