オタクであること
ふと思い立つ。
10年前の私にとって、10年後、つまり今の年齢の人というのはオタクであることなど、あり得なかった。漫画を読み、アニメを見て、ゲームをする。それどころかネットにはまり、TRPGをやり続けているなんていうのは絶対に大人ではなかったはずだった。
だが、どうだろう。
今の自分はそのことに何の違和感も感じない。感じなくなってしまっている。
別に社会を全否定するわけでもなく、仕事もあり、恋人もいる。そのうち結婚だって普通にするだろう。だが、その彼女もまたオタクで、そしてそれを互いに当然のことにしてしまっている。
そんなのない。
10年前の私なら全力で否定したかもしれない。
だが、やっぱり10年前の私には、今の私になっていることしか想像できていなかったとも思うと、それも仕方のないことだったのかもしれないとは思ってしまうのだ。
そんな世の中に、なってしまったのだ。