もっと!ときめきメモリアル

 ふと、片づけをしていたら、ラジオでやっていたもっと!ときめきメモリアルの録音をしたテープが入っていた。それも最終回から四回前と、最終回の前と最終回の三回分。今聞くと想像以上にこそばゆい。…いや、むしろ痛いくらいだ。

 ――と、最初は思ったのだが。

 なぜか想像以上に真剣になって聞いてしまった。
 はっきりいって、投稿する側もいわばオタク男ばかりなわけで、その恋愛なんて聞いてもくだらない、という先入観がまず最初にあったわけだが…。
 これがなんか聞いてるとずいぶんと真剣な想いなんじゃないか、と感じられてしまうのだ。おそらくは丹下桜というパーソナリティの存在がとても大きかったのだろうが、オタクくささはあまり感じず、むしろ当たり前にどこにでもある恋愛なんだという印象さえ抱くようになった。
 なんだか、本気になって聞いていた当時の気持ちがよみがえってくるような気がした。

 あれからもう10年以上経って、自分自身でも恋愛をして、恋人もできた。
 だからあの時わからなかった感覚も少しだけわかるようになっているとも思う。
 そんな今聞いても、いや今聞いたからこそあの時、本気で恋愛を語ったリスナーと、それをまとめて相談役をやりきった丹下桜の存在がとてもとても愛しく思うのだ。

 あー、そういえばあのころは本当に丹下桜のことが好きだったなぁ(苦笑)。