迷宮クロニクルVol.7

 愚神礼賛とはよく言ったもの。
 なんていうか…すげぇ、もしくはえぐい。

 基本的にファンタジー、まあTRPG全般において神官とか僧侶とかっていうクラスは神に仕えることによっていわゆる『癒し』の奇跡(魔法?)をもたらすクラスです。
 が、まあ当然なのかもしれませんが、神官という職業が持つ本来の役割からは外れて『回復系』の魔法使いとしての役割が主になってきます。だから、宗教的な名前をもっていても、実はそんなに宗教色は強くない。だからこそ宗教になじみの薄い日本人にもあんまり問題なく受け止められるわけなんですが。

 この迷宮クロニクル。信仰のルールを偉く細かくやることによって、その『宗教』の部分を妙にリアルに感じさせてくるんです。だからすげぇ、というか場合によってはえぐいことになる。データとしてみたらそれだけなのかもしれないけど、そのデータとしての部分を有効活用しようと考え出すとやることがえぐみを強めてしまうというバランス。このあたりの皮肉の効き具合がいかにもまよキンらしくていいとは思います。

 少なくともソード・ワールドやルナル、N◎VAやアルシャードのような世界観に於ける宗教の取り扱いとは一線を画しているのは間違いないですね。

 いやぁ、人間って怖い。
 宗教が恐ろしいというよりは、それを使う人間が怖いと痛感させられるサプリメントだと思いました。