涼宮ハルヒの憂鬱

　地元の紀伊国屋書店に並んでいたのを見つけて購入。
　すぐに手がつかなかったのは自分がローテンションだったせいだけど。

　とりあえず一通り読んでみる。
　なるほど。これはキャラクターで魅せる作品だなと。
　既存のライトノベルを逆手に取った視線をキョンに持たせることで独特の世界観を生み出し、その上でキョンとハルヒという対照的なキャラクターを魅力的に描くことで作品としての完成度を高めている。少なくとも一巻の時点ではそれ以外のキャラクターは単なる背景とそう違いない。あくまでキョンとハルヒの関係を優先的に描くための作品だ。だが、割り切って描いている分おもしろい。納得の行く流れではある。

　そういう意味ではアニメのスタッフはかなりがんばっている。
　あの独特のテンション、勢いを残しつつ、いいテンポで作品に仕上げているのは好感できるだろう。今後も期待してもいいのかもしれない。

　ただ、改めて原作を読んでみると設定そのものの斬新さはない。視点が違うだけだから、それこそが最大のポイントではあるのだけど、今後の展開がどうなっているのかというのは読んで見なければわからないが興味深いとは思う。
　これでうまい展開ができるならそれは大したものだろう。

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)